土曜日, 8月 22, 2009

DANS LE NOIR? (ダン ル ノアール)

闇の中 という名前のレストランがパリにできたのは4年前 今ここのオープンの少し前でした。 二人の視覚障害を持つ方が多くの困難を超えられてこのお店をつくられました。
このレストランの目的は2つあります。
一つは眠っている舌の感覚を呼び覚ますこと。食事は舌で楽しむものと誰もが思っていますが、実際には視覚(知覚)に頼っていることが多いと言われています。何も見えない中で嗅覚、触覚、味覚だけで食事をするという経験をここで体験できます。 もう一つは視覚障害者の方々がこの方式のレストラン(特にサービス分野)で働ける場所ができた事と視覚障害の方が自由に食べに行けるお店ができた事です。 そして2009夏季研修合宿の目的はここに来ることでした。 お客さんはまず入口にあるバーで光物(カメラ、時計、携帯など)や小物などをロッカーに預けます。 
 



ギャルソンに手を引いてもらいテーブルまで案内されます。 入口の厚い2重のカーテンをこえたら真っ暗の世界です。 おそるおそる歩いてテーブルに座るとナイフ、フォークが用意されているのが手探りで分かります。 ちなみにどれくらい暗いかは目を開けていても閉じていても全く違いがないくらい暗く こんな暗いのは一般的には無い環境なので 視神経がぶれてきます。 ギャルソンはワインのグラスとボトルをテーブルの中央に置きどこにあるかを知らせます。 それぞれのグラスに自分でワインを注ぎます。 真っ暗の中なのでどれだけ入れたらいいかは見えませんので グラスに指を突っ込んで量を確認しました。 前菜から順にギャルソンが料理をそれぞれに手渡します。 まずフォークとナイフで食べようと試みましたがかなり難しく それからは手で食べました。 一緒にいった5人でお話をしながらお料理を食べるのですが 声だけが闇の中から聞こえてますし、お話するのも闇に向かって話します。 僕らには非日常的な不思議な空間です。 ある程度何を食べているかは想像でき、色んな食感、温度,香りの違いを感じ楽しめます。 普段の暮らしが視覚にいかに頼っているかがよく解ります。 お料理はとても美味しかった。 デザート食べた後でギャルソンに手を引かれてダイニングを出てバーに出たところでその日の料理のメニューと写真を見る事ができ 何を食べたかがよく解ります。
パリにお店ができて以来ロンドン、モスクワ、ワルシャワ、バルセローナ、アメリカではニューヨーク、シカゴにあります。 僕がこのお店にとても興味があるのは、単に暗闇に中で物を食べる経験もですが、元気な視覚障害の方々と仲良くなれる場所だからです。今ここは名刺に開店以来点字を入れています。 一人でも多くの視覚障害のある方にお店に来ていただきたいからです。 帰りに今ここの名刺を渡したらとても喜んでいただきました。  このお店を心から応援しています。 

いよいよ9月1日より 

疾風怒涛のシーズン 

は始まります。   

ご予約は8月25日よりお受けいたしています。 

ポレポレ店長 た。